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001 ヒアシンスハウス
 
001 ヒアシンスハウス
ヒアシンスハウスの使い方「影絵芝居」

 ヒアシンスハウスで度々行われる、アーティストによるインスタレーションや作品展示に難しさがあるとすれば、それには二つの原因がある。
1.立地
ヒアシンスハウスは別所沼公園に建つ。訪れる人々は公園に釣りに来るのだし、体を動かしに来るのだし、子供は遊びにくる。アートを見るのだ、という心構えで、人々は足を運ぶのではない。
2.ヒアシンスハウス
ヒアシンスハウスは、もともと立原が週末に湖畔でゆっくりとした時間を過ごしたいと夢想したものだから、作品を置くための設えにはなっていないし、また、それを眺めるための工夫もない。

 そこで、ヒアシンスハウスの使い方、をひとつ手前勝手に考えてみることにした。ヒアシンスハウスは、とても小さい。大人が四人五人と入ってきたら、すでに互いに窮屈を感じる。だから、公園という周囲の状況と建築のサイズを合わせて考えてみるなら、大勢を中に招き入れるようなことは思考から外すのが良い。さらに、現在の眼から見るにヒアシンスハウスが特徴的なのは、その大きすぎる窓だ。これをどうにか生かす手はないだろうか。窓をスクリーンと見立てるアイデアはどうだろう。私が考えたのは、ひとつの少し大きな装置としてヒアシンスハウスを捉えてみる視点だ。影絵芝居を演じるのだ。観客は外から芝居を眺める。影絵芝居の舞台装置として考えると、ヒアシンスハウスは優秀だ。影絵を操る人の姿は外からはまるで見えないし、音楽を付けたければ、ヒアシンスハウスの内部で少しくらいの演奏は可能だ。音響は良くないかもしれないが、音はしっかりと外の観客に伝わるだろう。
虫さされには気を使うが、夜でも寒さを感じないから、開催の時期は夏場が良い。近くに住む子供達を集めれば、夏休みのヒトコマを作れるだろう。許されてるか分からないが、芝居の後には花火くらいはしたって良い。(s)

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